スマホ・ネット依存
-スマホとの付き合い方-
はじめに
スマホ、ついつい触ってしまいませんか?「やめなきゃ!」と思っていても、画面を触る手が止まらない、「気づいたら時間が経っていた・・・」、「自己嫌悪・・・」ということも多いかと思います。
最近は、「スマホ依存」・「ネット依存」、「ゲーム依存」という言葉も知られるようになり、国際的に問題になりつつあります。ここでは、皆さんにスマホとの付き合い方をご紹介したいと思います。
依存症とは?
では、まず、依存症とは何でしょうか?依存は、英語でアディクション(Addiction)と言われ、よく知られているものに「アルコール依存症」などがあります。何かに心を奪われ、やめたくてもやめられない、コントロールができなくなってしまう状態のことです。コーヒーを毎日飲んでいて急にやめるとカフェインが摂取できずイライラする人がいますが、これも一種の依存状態と言われています。
セルフチェックしてみましょう
次に、皆さんとスマホの関係について、お伺いしたいと思います。
下の8つの項目を見て、自分に当てはまるものをチェックしてみましょう。
Let’s Check!
□ ネットに夢中になっていると感じますか?(例えば、前にネットでしたことを考えたり、次に接続するときのことをワクワクして待っているなど)
□ 満足を得るためには、ネットを使っている時間をだんだん長くしていかなければならないと感じていますか?
□ ネット使用を制限したり、時間を減らしたり、完全にやめようとしたが、うまくい かなかったことがたびたびありましたか?
□ ネットの使用時間を短くしたり、完全にやめようとしたとき、落ち着きのなさ、不機嫌、落ち込み、またはイライラなどを感じますか?
□ はじめ意図したよりも長い時間オンライン状態でいますか?
□ ネットのために、大切な人間関係、仕事、教育や出世の機会を棒に振るようなことがありましたか?
□ ネットのハマり具合を隠すために、家族、治療者やほかの人たちに対してうそをついたことがありましたか?
□ 問題から逃れるため、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みといった嫌な気持ちから解放される方法としてネットを使いますか?
翻訳:久里浜医療センターTIAR(Young K.S.CyberPshychology and Behavior.1:237-44,1998)
引用:樋口 進(2013) 「ネット依存症のことがよくわかる本」講談社 より抜粋
特定非営利法人アスクwww.ask.or.jpより
いかがでしたか?
上の項目のうち5つ以上あれば要注意です。
多かれ少なかれ、面白い情報を読んだり、ゲームにはまると熱中してしまいます。
ただ、自分でスマホを使うことに制限を掛けにくくなって、スマホをしないことでイライラしたり、日常生活に支障をきたしたり、友達との関係において信頼を失うようなことが続くと、あなたの人生にとっても大きな損失です。
できること
では、スマホとどのように付き合ったら良いのでしょうか。いくつか、できることをご紹介したいと思います。
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寝る前のスマホ時間を減らす
―寝る前のメール1通は、エスプレッソ2杯分の覚醒効果!―
スマホの画面が発するブルーライトは、人間の脳を常に「スイッチオン」の状態にさせ、眠りにくくします。メール一通読むだけで、強いカフェインのあるエスプレッソコーヒーを2杯飲んだのと同じ覚醒効果があるそうです。
もし、寝る直前にスマホをすると、睡眠の質を下げてしまうので、せめて寝る前はスマホはお休みにして、寝る時間を楽しみましょう。
寝るコツについては、詳しくは→「快適な睡眠のために」を読んでみてください。
2.「デジタル・デトックス」をする
もう一つの手としては、例えば、あえてスマホの電源を完全に切って、2〜3時間過ごしてみませんか?
スマホのある環境から離れて自然の中や、時間を過ごすのも1つかもしれません。いわゆる「デジタル・デトックス」といわれるものです。
スマホは素晴らしく便利なツールですが、その一方で、私たちはその「便利さ」と引き換えに、多くのものを犠牲にしています。その一つが、自分で「考える力」、「悩む力」です。何かわからないことがあれば、すぐにスマホに手が伸びてしまいます。私たちは、不安なことがあると、不安を抑えるため、その対象を知ろうとして情報を探し求めます。
ですが、スマホに伸びるその手を止めてみて、自分で一度、考える習慣を身につけてみましょう。自分で考えて悩んでから情報を検索すると、情報を鵜呑みにすることは減り、より深い思考や、論理的な思考を鍛えられるかもしれませんよ。
3.自分の一日を振り返る
スマホをやりすぎて自己嫌悪になったり、自分を責めてしまうこともあると思います。そういうときは、まず、自分を責めることを止めましょう。そして、できるなら、スマホを見る前に何を考えていたかを振り返ったり、その日1日にあったことで気になっていることを探して、紙に書いてみるのもありかもしれません。紙に書き出すことで、自分の考えや気持ちが整理される面があります。
スマホやネットを予想以上にやってしまう背景には、何か悩んでいることや、イライラすることがあり、それでゲームをして、現実逃避してしまうことも少なくありません。そのように感じている自分を大事にすることから始めませんか?
4.誰かに話をする、相談する
自分が悩んでいることや困っていることを自分で抱え込まないで、誰かに話をしてみたり、誰か信頼できそうな人に相談してみることも大切です。友達や学生相談室のカウンセラーなどに話をして、悩んでいることについて共有したり、一緒に考えてもらうことも有効です。
少し専門的な話になりますが、依存症を治すには、根気強く治療を続けることが必要になります。専門家や周囲の力を借りることは、とても大事だと言われています。ネットやゲームをしている自分をモニターできる自分がいなければ、誰かの助けが必要なサインかもしれません。
参考文献
・坪田聡 寝る前にメール・ラインを確認してはいけない2つの理由 2017.2.7記事
(2020.5.21取得)https://diamond.jp/articles/-/115304
・特定非営利法人アスク
https://www.ask.or.jp(2020.5.23取得)
・樋口進(2013) 「ネット依存症のことがよくわかる本」講談社
・日経電子版、「子どもの「ネット依存」対策の先進国「韓国」に学ぶ」
(2013.8.16記事)(2020.5.23取得)
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0100W_R00C13A8000000
・NHKクローズアップ現代【対談】新型コロナも影響か 深刻化するゲーム依存
(2020.5.20記事)(2020.5.23取得)
https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/185/index.html#feature__section--06